橋梁インフラの再構築を支える革新技術とレンタルサポート
未来へ向かって橋を架ける
2022年にドイツで開催された橋梁サミットで、同国は2030年までに4,000基の橋梁を近代化する計画を発表した。
その実現に向けてキャタピラーが果たしている役割を追った。
1960~70年代に建設されたドイツの橋梁の多くは、予想を上回る速さで老朽化が進み、早急な補修・更新が必要な状況にある。この緊急性の高い課題に対応するため、建設業界ではインフラを短期間で再構築する新たな工法やソリューションの開発が求められている。
そんな中、インフラ整備、土木工事、環境保全の各分野で、高度な技術を求められる建設プロジェクトを手がけているのがHEITKAMPグループである。同グループはさまざまな技術革新と新たなアプローチによって、市場環境の変化に柔軟に対応している。その代表的な取り組みの一つがHEITKAMP Schnellbaubrücke®(クイックビルドブリッジ/高速施工橋)で、これはドイツが掲げる橋梁インフラの近代化を大きく後押しするものだ。
「当社の特許技術であるHEITKAMP Schnellbaubrücke®では、橋梁上部の構造を支える橋台として、プラスチック補強土工法を採用しています」と説明するのは、HEITKAMP Brückenbau社の技術担当マネージングディレクターThorstenBalder氏。「この工法によって、橋梁を非常に短期間で施工でき、コストが大幅に削減されます。さらに、コンクリートの使用量を減らせるため、CO₂排出量も約70%低減することが可能です。また、従来はコンクリートで構築していた橋台の大部分を、補強用ジオグリッドを用いた盛土構造に置き換え、道路脇で施工できることから、交通への影響が最小限に抑えられます」
HEITKAMP社によると、2023年5月にドイツの主要幹線道路A3(Autobahn 3)と連邦道B56号線の接続に関するプロジェクトで試験的に導入されたこのクイックビルドブリッジは見事に成功を収め、ドイツ橋梁建設賞の特別賞「サステナブル建設賞」を受賞した。
新たなソリューションで課題に挑む
ヘルネに拠点を置く同グループによれば、HEITKAMP Schnellbaubrücke®は、オイスキルヒェン近郊を通るB56号線のような中小規模の跨道橋(オーバーパス)に特に適した工法である。しかしこのプロジェクトにおいても、順調な面ばかりではなく、さまざまな課題に直面した。
「2021年夏の洪水によって基礎部分が損傷し、緊急の対応が必要となりました」とThorsten氏は振り返る。さらに交通量の多さも問題となった。「この橋では、テンサイ(甜菜)の収穫期にあたる9月中旬から12月下旬にかけて、交通量が大幅に増加するのです」
この課題を解決するため、新しい橋の建設は2段階に分けて進められた。まず2022年4月から8月にかけて橋の片側半分を解体して再建し、その後は工事を一時中断。テンサイの収穫期には、新設部分と既設部分を併用することで一般車両の通行を確保した。そして2023年4月に、残り半分の解体と再建が開始された。
最適な機械を最適な場所に最適なタイミングで
短期間での完成が求められたこのプロジェクトでは、必要な建設機械を確実に確保することが成功の鍵となった。その期待に応えたのが、キャタピラー製品を主力として取り扱うZeppelin Rental社である。同社のキーアカウントマネージャー、Thomas Gräb氏は次のように説明する。
「レンタル機材を活用することで、企業はプロジェクトごとの要求に柔軟かつ迅速に対応できます。必要なマシンを必要なタイミングで確実に利用できるという安心感があれば、想定外の作業が発生しても機材不足に悩まされることはありません」
Thomas氏はHEITKAMP社と密に連携し、締固め機械、各種車両、ハイブリッドLED照明タワー、タンク、照明設備、発電機などあらゆる機材を網羅する、このプロジェクト向けのレンタルプランを構築した。もちろん建設機械も含まれており、クローラ式油圧ショベルのCat® 336FLNと、ホイール式油圧ショベルのCat M322が投入された。
さらに、油圧ブレーカー、グラップル、掘削バケットなどに迅速に付け替えられるクイックチェンジアタッチメントも数多く用意
された。これによって、作業の手を止めることなく1台の機械で次々と異なる工程をこなすことができ、工期が厳しい現場で大きなメリットとなった。
緊密なパートナーシップがもたらした成功
こうしたさまざまな課題を乗り越え、B56号線のプロジェクトは予定通り完了した。
Thorsten氏は、その成功の要因として、HEITKAMP社の革新的技術とZeppelin Rental社によるサポートを挙げる。
「革新的な工法と最新の機材技術によって、橋梁建設をいかに速く効率的に進められるかを、パートナーとして共に実証することができました。HEITKAMP社とZeppelin Rental社との素晴らしい協力関係が、今回もプロジェクトを成功へと導く礎となったのです」
キャタピラー製品の活躍によって、新しく架けられた橋のように、両社を結ぶ「架け橋」もまた、末永く続いていくことだろう。