小祝さくら選手の劇的な逆転優勝で幕を閉じたCAT®レディース2021(第24回大会)。四半世紀にわたって名勝負の歴史を刻んできたその舞台はどのようにつくられるのでしょうか。大箱根カントリークラブのグリーンキーパーとしてコース管理の全権を担われている﨑山朋巳(さきやま ともみ)チーフマネージャーにお話を伺いました。
「私たちの役目は、主役である選手がプレーに専念し、テクニックを100%発揮できるよう、最高の舞台を整えることに尽きます。大会前日まで通常営業しながら、コースを細かく調整して、試合用のセッティングに仕上げていきます」
プロのトーナメントは、通常営業時に比べ、格段にシビアなコースセッティングで開催されます。トーナメントディレクターからの厳密なセッティング要求に応え、自然条件や芝生の生態に神経を注ぎながら、芝生をミリ単位で刈り込み、ピンポジションの位置を調整します。「18ホールすべてのコンディションを均一にすることが、最低条件であり、最も難しい部分」だと﨑山チーフマネージャーは語ります。
「全コースのボールスピードが同じになるようにグリーンの硬さを調節し、大会期間中しっかりとキープしなければなりません。特にCATレディースは芝生のコンディション管理に手間ヒマを要する真夏に開催されるため、大会前には系列のゴルフ場からサポートスタッフを招集してコースメンテナンスに当たります。通常は私を含め11人のチームで行っていますが、今年は20人体制で対応しました」
COVID-19感染症の拡大対策のため、今大会は無観客での開催となりましたが、「来年はギャラリーの皆さんにも実際に芝生の上を歩き、コンディションを見てもらって『自分もこんなコースでプレーしてみたい』と感じていただけるといいですね」と語る﨑山チーフマネージャー。次の大会に向けての準備はすでにスタートしています。